映画「シングルマン」色男が大渋滞｜息をのむクライマックス｜配信で無料視聴可能

こんにちは。
実写BL・メンズロマンスが大好きなアラサー会社員のricoと申します。

数ある作品の中から大人女性にもきちんとおすすめできる良作のみをピックアップしていたら、130本を超えてしまいました。
ひたすら個人的な見どころをご紹介していくブログです。(特に激推しな13作品はこちら)

今回はファッションデザイナーのトム・フォードが手がけた男同士のラブロマンスがテーマの映画「シングルマン（原題：A Single Man）」を取り上げます。

まだ見たことがない方のために詳細を省いた「見どころのみ」をかいつまんでご紹介しますが、3割ほどネタバレを含みますのでご注意ください。

映画「シングルマン」とは

映画「シングルマン（原題：A Single Man）」は、同性愛者であることを公表しているファッションデザイナーのトム・フォードの監督デビュー作で、2010年に公開された作品です。

長年の同性愛の恋人だったジムを8か月前に交通事故で失い、生きる価値を見失っていたイギリス人の大学教授ジョージはピストル自殺を企てる。
大学のデスクを片付け、弾丸を購入。
「ネクタイはウィンザーノットで」と遺書をしたため、準備を進める。
しかし、ジョージの教え子ケニーがジョージにゆっくりと近づいていく。

恋人を失ってから8か月、残されたジョージの悲しみは深くなる一方なんですね。
「愛する者がいない人生に、意味があるのか？」
そう自身に問い続けた結果、彼は「自ら命を絶つこと」を選択してしまう…

主人公が自殺を決意した状態で始まるこの作品。

どん底からのスタートや

ひとりの男の1日を描く

朝目覚め、顔を洗い、朝食をとり、髭を剃り、服を着て、仕事場へ向かう―
この映画は主人公ジョージの一日を描いた作品。
たった一日だけの物語。

でもその一日は彼にとって特別な一日

16年間連れ添った最愛の恋人を失くしてから8か月が過ぎたこの日、
ジョージはとても冷静に、淡々と、自殺の計画を実行する…

自分の葬儀用の衣装をクローゼットから取り出し「ネクタイはウィンザーノットで」とメモを添えて、

出勤して職場のデスクを整理する。
ガンショップで弾丸を買う。
金庫に預けておいた重要な書類を全て引き出す。
旧知の仲の女友達チャーリーと食事を楽しむ。
そして帰宅後、遺書を書いて、自殺する。

…はずだった。

作品を彩る色男たち

この映画の見どころは、その秀逸な脚本や、アートのように美しいシーンはもちろんなんですが、なにより色男しかいないキャスティングも見逃せません。

まるでソシャゲのように、主人公の目の前に続々とタイプの異なる色男たちが登場します。

ジョージ（演：コリン・ファース）

ロサンゼルスの大学で教鞭をとるイギリス人のジョージ。

16年間連れ添った最愛の恋人ジムを交通事故で失ってからずっと、生きた心地がしないまま、絶望と孤独にさいなまれている。

ジム（演：マシュー・グード）

ジョージと長年連れ添った若き建築家。

ふたりで暮らすために建てたガラス張りの家で暮らしていましたが、ある日突然の交通事故でこの世を去ってしまう。

ケニー（演： ニコラス・ホルト）

ジョージが教える大学に通う学生。
この世に見切りをつけたようなジョージのことが心配で、あとをつける。

この作品でのキーパーソン。

カルロス（演：ジョン・コルタジャレナ）

ジョージが立ち寄る酒屋のセクシーな店員。
ふたりでつかの間の時間を過ごす。

駐車場でふたりタバコを吸うシーン、最強に美しい。

グラント （演：リー・ペイス）

ジョージと同じ大学で教鞭をとる教授。

…ね。皆さん、もうわかりますよね。

セクシィガイ大渋滞

恋人との美しい思い出

劇中では何度も回顧シーンが登場します。

この作品は、自ら「死」を決意したジョージの視点で描かれているため、映像は色彩を抑えた冷たいトーンで進行します。

ただ、そんなジョージがジムと過ごした過去を回顧するシーンだけは、生命や情熱を感じる「赤」が強調されたとても鮮やかで温かいトーンの映像で表現されてるんです。

それをきっかけに、すこしずつ、ほんとにすこしずつ、現在の映像が鮮やかになっていきます。

氷のように冷たい肌に、少しずつ血が通っていくような、そんな感情のグラデーションを作品全体の色彩で美しく表現されています。

「死」を意識して見えてくるもの

日々何気なく生きていると、1日はあっという間に過ぎてしまいますよね。
でももし「死」を意識して「今日が最後の日」と決意したとしたら、その日の行動はきっと全く違うものになるはず。

いつもより大胆な行動をとれるかもしれないし、普段は照れくさいことも、思い切って言えてしまうかもしれない。

人生に絶望していたジョージは、そんな思いで人生最後の日を過ごすんです。

すると、これまで心を閉ざしたままだったせいで見えてこなかったものが、じわじわと見えてくるようになる…

「死」を意識してその日を過ごしたことにより、思いがけず「生きる喜び」を感じることになるんですよね。

作品の終盤のこのシーンが特にいいんですよね…
教え子のケニーが、かいがいしく傷を手当てしてくれるシーン。
物語の展開と相まって、涙がでるほど美しいです。

息をのむクライマックス

「人生は、経験では語れない。経験から”何を得たか”が大切」と教え子に諭すジョージ。
ジョージは「恋人の死」という経験から何を得たのか、クライマックスに全てが表現されています。

エンドロールが流れ出すまで一時たりとも目が離せないようなラストシーンに仕上がっています。

私は思わず、おわあああああまじか…って叫んじゃいましたよ…

もうね、なんというか、エンドロールでどうにも感情が抑えきれなくてね、涙がぽろっとしちゃいました。

これはただのBL映画じゃないんだ。
それだけは言いたい！
これは他のBL映画とひとまとめにして呼ぶのは違うような気がしてしまう、そんな映画なんだ！

そんで主演のコリン・ファースの表情がとても、とても、とってもいい。
思わず、手を差し伸べて、ぎゅっとしてあげたくなるようなそんな魅力を放ってるのよね…

コリン・ファースはこの作品で英国アカデミー賞とヴェネツィア国際映画祭で主演男優賞を受賞していてね。彼にとっても大きな作品なんですね。

トム・フォードがデザインする世界

本作の監督・プロデュースを手掛けたのは、あのファッションデザイナーのトム・フォード。

トム・フォードと言えば、自身の名前を冠したブランドで有名ですが、独立前は破産寸前だったグッチを不死鳥のごとく蘇らせた天才デザイナーとして脚光を浴びました。

美しさにとことんこだわるファッションデザイナーという職種だからこそ表現できる独特の美しさがあります。

エンドロールの最後には“For Richard Buckley（リチャード・バックリーへ捧ぐ）”と流れます。
これはトム・フォードの20年来の恋人でメンズファッション誌「VOGUE HOMME international」の編集長Richard Buckleyのことです。

トム・フォードは自身も同性愛者ということを公表しており、長年連れ添った恋人と結婚したことも話題となりました。

この作品ではそんな恋人と、彼らの愛犬がエキストラとして出演しています。

愛に溢れてる

「シングルマン」は配信で無料視聴可能

映画「シングルマン（原題：A Single Man）」は、amazonプライムビデオなど各種動画配信サービスで配信されています。

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本ページの情報は2024年7月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。