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映画「彼女が好きなものは」こころエグられる骨太作品|配信で無料視聴可能

こんにちは。
実写BL・メンズロマンスが大好きなアラサー会社員のricoと申します。

数ある作品の中から大人女性にもきちんとおすすめできる良作のみをピックアップしていたら、130本を超えてしまいました。
ひたすら個人的な見どころをご紹介していくブログです。(特に激推しな13作品はこちら)

今回は映画「彼女が好きなものは」を取り上げます。

今回はMovie Walkerさん主催の試写会で公開よりも一足早く見させてもらいました。

作品メモ

評価 :4/5。

評 価:4(4.5以上はこちら
設 定:学生・学園・青春・年の差・不倫
トーン:切ない
社会派
※あくまでも個人の主観です

まだ見たことがない方のために詳細を省いた「見どころのみ」をかいつまんでご紹介しますが、3割ほどネタバレを含みますのでご注意ください。

映画「彼女が好きなものは」とは

映画「彼女が好きなものは」は2021年12月に公開された作品です。

⾼校⽣の安藤純(神尾楓珠)は⾃分がゲイであることを隠している。
ある日、書店でクラスメイトの三浦紗枝(山田杏奈)が、男性同⼠の恋愛をテーマとした、いわゆるBLマンガを購⼊しているところに遭遇。
BL好きを隠している紗枝から「誰にも⾔わないで」と口止めされ、そこから2人は急接近。しばらしくて、純は紗枝から告白される。
「⾃分も“ふつう”に⼥性と付き合い、“ふつう”の人生を歩めるのではないか?」。
一縷の望みをかけ、純は紗枝の告⽩を受け⼊れ、付き合うことになったのだが・・・。

映画「彼女が好きなものは」公式サイトより

原作は浅原ナオトさんの小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」。

同性愛者であることを公表している作者が書いたこの小説は、2019年にNHKで放送されたドラマシリーズ「腐女子、うっかりゲイに告る。」で実写化され、衝撃的なラブシーンの数々やドラマのタイトルからは想像もつかない心えぐられるまさかの展開で大きな話題を呼びました。

当時の衝撃は忘れられないよ

ゲイであることを隠しつづける高校生の純と、BL好きであることを周りに内緒にしているクラスメイトの三浦さん。

試写会で公開よりも一足早く見させてもらったので、鑑賞直後にこの記事を書いてるんですが、書きながらすでに泣いておるのよ。

(2021年11月26日追記)

先行上映舞台挨拶にも行ってきました。2回目も同じテンションで泣いちゃったよ…

軽い恋愛映画ではない

分かり合えないふたり

https://kanosuki.jp/

安藤純(演:神尾楓珠)

僕はゲイだ。だからって”ふつう”の幸せをあきらめたくない。

安藤純

ゲイであることを隠して生きる男子高校生 。
自分のセクシュアリティを自覚しながらも、異性と結婚し父親になって家庭を築く、そんな「ふつう」の幸せを諦めきれずに葛藤する。

今にも壊れそうなほどの繊細さと、それでも必死に生きようともがく力強さが美しい以外の何物でもないの。

ずっと自分を殺して周りに合わせて生きてきた、そんな彼の心の叫びを吐露するシーンは魂で演じてるような迫力があった。

素晴らしかった。

三浦紗枝:山田杏奈
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三浦紗枝(演:山田杏奈)

私はBLが好き。だからって好きな人がゲイだとは思わなかった。

三浦紗枝

BL好きであることを周りに隠している女子高生。
クラスメイトの純のことが好きになり、ある日告白をする。

純とはまた違った角度で自分の気持ちと向き合い悩みながらも、必死で「わからないこと」をわかろうとする姿が、眩しいほど輝いてる。

本作の見どころのひとつの全校生徒の前で三浦さんがスピーチするシーン。
勇気を振り絞って学校中に語り掛ける姿は涙なしでは見られない圧巻のシーンだった。

三浦パイセンと呼ばせてくれ

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誠さん(演:今井翼 )

純が「マコトさん」と呼ぶ純の恋人。
同性愛者であることを家族に隠しながら生きるパパ。

自分のセクシュアリティに悩む純に、かつて同じように悩み苦しんだ自分を重ね合わせて寄り添う。

子持ちの既婚者なのに高校生に手を出すダメな男なんだよね。
なんだけどそんなことどうでも良くなるくらい純にとっては大切な存在でもあるんだよ。

ドラマシリーズと比べて誠さんの人物描写は控えめだった気がするけど、こちらはこちらで魅力的なキャラクターでしたよ。

ラブシーンがシンプルにエロい



脇を固めるキャスト陣も豪華で演技派がそろってました。

カンヌで脚本賞を受賞した映画「ドライブ・マイ・カー」の三浦透子さんや「きのう何食べた?」でお馴染みの磯村勇斗さん、お笑いコンビのまえだまえだで活躍した前田旺志郎さん(この作品でもっと好きになるはず)とまぁ実力派キャストがずらりでした。

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とくに純の母親を演じた山口紗弥加さんが印象的でしたよ。
女でひとり、必死で育てた自分の息子がゲイだと知った時、その時の母親の動揺をリアルに表現されてたの。
激しい動揺を必死で隠して、母親らしく毅然とした振る舞いを見せながら、自分なりに理解しようとする必死さに涙が止まらなかった。

この親子の関係も泣ける

マコトさんと純

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純「(誠さんの手を見つめながら)手、かっこいいな…」
誠「…………触られたい?」

純を取り巻く環境はいわゆる「ふつう」であることが当たり前の世界。
必死に自分を偽り続ける純からすれば、「おまえはどのAV女優が好き?」なんて言う男子高生同士の無邪気なやりとりすら暴力になるの。

そんな純が唯一心を許して自分らしくいられる相手が誠さんなわけですよ。
このふたりの、このふたりだけの、誰にも邪魔されない特別な世界がほんとうに尊いんですよね。
(映画序盤には情熱的なベッドシーンもございます

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なにがいいって、大人の男の色気漂う誠さんに対してあくまでツンツンなふるまいしつつも、一人になった瞬間に誠さんのこと思い出して「(キャー!!!)」ってなってる純くん18歳ですよ。
好きな人の仕草や言葉にときめいて舞い上がっちゃう純の姿は、わかりみが強いし共感しちゃう。

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この誠さんって人がさ、年上の余裕があるからさ、純に対してちょっとお茶目な一面をみせたり、嫉妬してるそぶりをみせたり、ぜんぶがずるいんだよね(好き)

同じ原作を元にしたドラマシリーズ「腐女子、うっかりゲイに告る。」では谷原章介さんが演じていましたが、わたしやっぱり誠さんって存在自体が好きだなあと実感しましたよ。

不倫っていうイケナイことしながらも、過去の自分と同じように苦しむ純を優しく受け入れようとする大人の男。

誠さん…ずるいよ

ファンタジーとリアル

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この作品の魅力は、商業BL作品でもなければ、男同士の恋愛だけを描いたロマンスでもない、ひとことで「LGBTQがテーマの作品」とは言い難いほど複雑なテーマを持っていることなんです。

「BL」のもつファンタジーを愛する三浦さんと「同性愛」である自分のセクシュアリティに悩み続ける純の、ふたつの想いを同時に扱っていることが大きいんだと思うの。
女性向けのボーイズラブ文化と、男性が男性を愛するセクシュアリティ、このふたつは似ているようでカテゴリも何もかも全く違うものだからこそ、そのグレーゾーンに切り込んでいるのがこの作品の魅力なんですよね。

どちらか一方に偏るんじゃなくて、どちらの気持ちにも寄り添っているからこそ、心がえぐられるほど、辛くて苦しいんです。

理解できなくても想像したい

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好きなものを好きと言える時代。好きな人を好きと言える世の中。
昔と比べて今ではセクシュアルマイノリティや個人の多様性を重んじる「個」の時代。
商業BL市場も年々拡大してきているし、いわゆる「腐女子」であることを公言することのハードルも下がりつつあって。
そういう意味ではこの作品は、今後時代がかわるにつれて徐々に古くなっていく要素があるのかもしれないよね。

でも本当にそうなのかなっていうのがこの作品のテーマなんですよね。

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昔のようなあからさまな偏見は消えたとしても、無意識の偏見はあったりするし、あからさまな暴力は亡くなったとしても、無知や誤解からくる言葉の暴力はあったりする。

「私は同性愛者に理解がある」って脳では思っていて、まわりに公言できたとしても、本当に本当のところは、そうなのかなってことを何度も考えさせられるんですよね。
ricoは一昔前の言い方をすればごりごりの「腐女子」だし、二次創作が大好きだし、男と男のラブロマンスが大好き。

それはもう毎日萌え散らかしてる。

カムアウトしているゲイ友もいるし、普通に恋バナで盛り上がったりはするけど、でも、でももし、自分が本気で愛した相手がゲイだったら、すぐには受け入れられないよ。

性別関係なく、愛する人が愛する対象として自分に可能性がないってわかったら誰だって傷つくし、辛い。
見た目とか性格の次元じゃなくて、女である時点で土俵に上がれないならもっとつらい。
その人のことが本気であればあるほど辛いよ。

でもその辛さは、同性愛者からすれば日常なんだよね。
恋した相手が自分の見た目や性格が好きかどうかの前に、自分ではどうにもできない性別の壁があるんだとしたら辛いよ。

形だけの理解はできても、本当に当事者としての理解は全然温度が違うよなって感じさせられる作品なんですよね。

結局わたしにはわからないこともあるし、理解できないこともあるんだと思う。

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でも

理解できなくても、想像したい。

そう言い切る三浦さんは本当にまっすぐで、その姿に心打たれるんだ。
自分のキャパでは理解できないことを、無理して理解した気でいるんじゃなくて、わからないことを「理解しよう、想像しよう」ともがく世の中こそ理想なんだと思ったよ。

この作品がLGBTQを描いた映画だと特別言われない日が来るのが理想だろうなと思います。

監督:草野翔吾 

理想では多様性の世の中に向かいつつある社会でも、現場レベルでは価値観を受け入れることへの根強い壁があるのが現状。

でも一番だいじなことは、少数派と多数派、とか、あっちとこっち、みたいな分け方をするんじゃなくて、どの立場からでも想像しようとすることなんだと感じたよ。

セクシュアリティに限らず、誰もがどこかで少しずつ「無理」をして世の中のスタンダードに合わせようともがいてるんだと思うの。
だからこそ、すべての人が見るべき作品なんだと思った

勇気を与えてくれる作品なんだ

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同性愛者が描くリアルな「同性愛」

この映画の原作は浅原ナオトさんの彼女が好きなものはホモであって僕ではない』という小説です。

浅原ナオトさんは、自らが同性愛者であることを公表されていて、この作品をきっかけにマイノリティに対する世の中の考え方が変わってほしいという思いを込めて、あえて差別的な「ホモ」というキーワードを小説タイトルに使用したようです。

僕が伝えたかったことは性的マイノリティは少ないというだけで、実はどこにでも存在するものだということ。
そんな同性愛者をバカにしている人たちがこの本を手にすることで、マイノリティについて考えてくれることを期待する意味を込めてこのタイトルにした。

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そして2021年11月には「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」の続編、「彼女が好きなものはホモであって僕ではない 再会」が角川文庫より発売になりました。

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普通になりたい願望と、普通になれない現実。
「好きな相手が同性でもいいと思うよ」では片づかない複雑な内面を書いた物語は、多くの方の共感と好評を得て、映画化にまで至りました。その複雑さはこの映画にもしっかり残っていると思います。まずはお楽しみ頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。

浅原ナオト

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💎このブログの著者

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