アカデミー賞映画「ムーンライト」最後の最後でぶわあってなる｜配信で無料視聴可能

こんにちは。
実写BL・メンズロマンスが大好きなアラサー会社員のricoと申します。

数ある作品の中から大人女性にもきちんとおすすめできる良作のみをピックアップしていたら、130本を超えてしまいました。
ひたすら個人的な見どころをご紹介していくブログです。(特に激推しな13作品はこちら)

今回は映画「ムーンライト（原題：Moonlight）」を取り上げます。

まだ見たことがない方のために詳細を省いた「見どころのみ」をかいつまんでご紹介しますが、3割ほどネタバレを含みますのでご注意ください。

映画「ムーンライト」とは

アメリカ映画「ムーンライト（原題：Moonlight）」は、2016年に公開された作品です。
劇作家のタレル・アルヴィン・マクレイニーによる「In Moonlight Black Boys Look Blue」を元に映画化されました。

麻薬中毒のシングルマザーのもとで育ち、学校ではいじめられ、そこから逃げるように1人で過ごす内気な少年。
彼を気にかけてくれるのは近所の麻薬ディーラーの男と、同級生の少年だけだった。やがて彼は同級生に友情以上の感情を抱くが、それを言い出せないまま成長する。

ご存知の通り俳優のブラット・ピットがプロデュースした今作は、第74回ゴールデングローブ賞では映画部門の作品賞を獲得し、第89回アカデミー賞では作品賞、助演男優賞、脚色賞を受賞するなど大きな反響を呼びました。

この作品、どう見ても切ないオーラが出てるじゃないですか。
評価されていることはわかってはいつつも、どうにもメンタルが持っていけなくて、実はずっと見られずにいたんです。

でもね。意を決して見たんですよ。
見られてよかったよ。

想像とは全然違う作品だった

主人公の成長を描く

この作品は主人公のシャロンの少年期、思春期、そして青年期の3部で構成されています。
主人公の成長に合わせて3人の俳優が登場するんですよね。

少年期のシャロン（演：アレックス・ヒバート）

身体が小さいことから”リトル”と呼ばれる少年。
身体的特徴でクラスメイトからいじめられている。
唯一の家族である母親は育児放棄をして新しい恋人を家に連れ込む始末。

家の外にも家の中にも居場所を失ったシャロンは孤独な少年期を過ごす。

思春期のシャロン（演：アシュトン・サンダーズ）

高校生になったシャロン。
彼を取り囲む環境はさらに過酷さが増している。
母親は麻薬中毒でシャロンに金をせびるようになり、学校でのいじめの度合いもひどくなる一方。

追い詰められたシャロンはあることをきっかけに大きな決断を下す。

青年期のシャロン（演：トレヴァンテ・ローズ）

大人になったシャロン。
過去を捨て、故郷を離れ、新たな人生を送る。
高そうな洋服に身を包み、高級外車を乗り回す。
痩せっぽちでいじめられっ子だった過去の面影はもうない。

ある夜、懐かしい男からの久しぶりの電話をきっかけに、辛い思い出の詰まった故郷へ車を走らせる。

---

その他、脇を固める俳優陣もすごいんだけど、特に父親代わりになって主人公の成長を見守るフアン（演：マハーシャラ・アリ）の存在感が大きいんですよね。
この記事では紹介しませんがぜひ本編で観て欲しい。

唯一の友人の存在

壮絶な幼少期を過ごしたシャロン。
そんなシャロンの傍に、いつも友人のケビンがいるんです。

周りがどれだけシャロンをいじめようと、ケヴィンだけは唯一フラットにシャロンと接してくれて、つかず離れず丁度良い距離感でいつも隣にいてくれるんです、小さいころからずっと。

ある日、母親が恋人を家に連れ込むことから「今夜は家にいないで」と言われたシャロンは、真夜中にひとり海辺へ向かうんです。
そこで偶然友人のケヴィンに出会い、他愛もないことを話すんですよね。

ヤンチャでモテ男のケヴィンはシャロンに対して「いやあ…このまえ彼女と学校でやったんだけどさぁヤバかったぜ」とか「今度女紹介してやるよ」とかっていうんですよね。
そんなケヴィンをじっとみつめるシャロンくんですよ。

ケヴィンが持ってきたマリファナを吸いながらふたりだけの時間を過ごすの。
おしては返す波の音…

ここめっちゃどきどきする。

大人になったふたり

そんなケヴィンとシャロンは、大人になって再会を果たします。

学校を卒業し、社会に出てから、それぞれがそれぞれに違う人生を歩んできたふたり。
言葉では説明しきれない積年の想いを胸に、立派に成長したお互いを見つめて「元気してたか？」って照れ笑いするんですよ。

酸いも甘いも噛み分けた、大人の男たちが大好きなricoにとっては終盤はもう最高でしたよ。

いろいろあったふたりがさ、大人になってさ、でも再開した時の表情はもうあの頃の子どもに戻ってるんですよね。

くう…照れる…

制作陣の想いを映した作品

作品の元となった作品「In Moonlight Black Boys Look Blue」はマイアミで育った作家タレル・アルヴィン・マクレイニーの実体験を映した内容です。

そんなマクレイニーと共に今作の脚本を練り上げた脚本・監督のバリー・ジェンキンスもまたマイアミで生まれ、主人公のシャロンと同じように薬物中毒の母親と貧困家庭で育ちました。

この作品はアフリカ系アメリカ人である黒人の人たちの真に迫ったストーリーが高く評価され、アカデミー賞やゴールデングローブ賞で作品賞や脚色賞を受賞しています。

この映画の元になった戯曲を書いたタレル・アルバン・マクレイニーと僕は“シャロン”である。
僕たちはあの少年なんだ。

監督がアカデミー賞で用意していたスピーチ

よく「黒人」と「白人」という風にひとまとめで考えてしまいがちですが、私たち「アジア人」のなかでもアイデンティティの違いや、格差やいじめが存在するように、黒人の世界にもまた黒人同士の偏見がはびこっているんですよね。

黒人社会のそんな闇に、もう一歩深く切り込んだ作品でした。

クライマックスに救われる

最後は月夜のある場面で終わるこの作品。

観賞後、そのシーン思い浮かべるだけで、これ書きながらもちょっと泣いちゃうくらい印象的なシーンです。

作品を通じて私たちはずっとシャロンの成長を見守ることになるんですよね。
だからこそ、小柄で痩せっぽちでいじめられっ子だったシャロンが、いかつい筋肉を身にまとい、ギラついたアクセサリーをつけて、高級外車を乗り回す、そんな大人になった姿に戸惑うんです。

でもね、作品のクライマックスでハッと気付かされるの。
彼の思いはあの頃と何も変わらずに、ずっとそこにいたんだってこと。

ラストシーンは波の音と共に、原作のタイトル”In Moonlight Black Boys Look Blue”にあるように、月夜に浮かぶ黒い肌がとっても美しく描かれるんです。

物語は淡々と進むのに、ラストシーンで思わずこちらの感情がぶわあってなる。

とっても美しかった…

映画「ムーンライト」配信で無料視聴可能

映画「ムーンライト」は各種動画配信サービスで配信中です。
U-NEXTは無料トライアルがあるので無料での視聴が可能です。

▷　U-NEXTで「ムーンライト」を見る

※U-NEXTは31日間無料トライアルが可能なので期間中に解約すれば料金はかかりません。

▷　amazonプライムビデオでレンタルする

400円で48時間レンタルが可能です。※2021年11月現在

その他Netflixやhuluでは定額見放題（2021年11月現在）なのでご契約されている方はぜひチェックしてみてください。

本ページの情報は2024年7月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。