映画「MONSOON/モンスーン」行きずりの相手と思いきや…惹かれ合うふたりがとてもよかった

こんにちは。
実写BL・メンズロマンスが大好きなアラサー会社員のricoと申します。

数ある作品の中から大人女性にもきちんとおすすめできる良作のみをピックアップしていたら、130本を超えてしまいました。
ひたすら個人的な見どころをご紹介していくブログです。(特に激推しな13作品はこちら)

今回はイギリス・香港製作の映画「モンスーン（原題：MONSOON）」を取り上げます。

まだ見たことがない方のために詳細を省いた「見どころのみ」をかいつまんでご紹介しますが、3割ほどネタバレを含みますのでご注意ください。

映画「MONSOON/モンスーン」とは

https://youtu.be/2LVzOxvYctw

映画 「モンスーン（原題：MONSOON）」 は、2019年に第54回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で上映された作品です。
日本では2022年1月から一部の映画館で上映されています。

6歳の時に家族とともにベトナム戦争後の混乱を逃れてイギリスへ渡ったボート難⺠のキットは、両親の遺灰埋葬のため、30年ぶりに祖国のサイゴンを訪れる。
そこは経済成長を遂げ、かつての姿は見る影もない場所だった。
ベトナム語すらままならないキットは、英語の話せる従兄弟のリーの助けを借りながら、自身の大事な場所を探し始める。

MONSOON公式サイトより引用

大人になって久しぶりに故郷を訪れた主人公が、旅の中で自分の過去と現在を見つめ直す…ゆったりとしたロードムービーのような映画。

ricoは一時期ベトナム・ホーチミンに滞在してたことがあってね、だからこそ感じる懐かしい湿度とか独特の空気があったんですよね。

作品はベトナム戦争が残した傷跡をいろんな立場の人の視点から辿る真面目な映画。

なんだけどグッとくる描写がたくさんあったのでここで叫ばせてください。
メインはラブストーリーではないんだと思うんだけどさ、ちゃあんとラブがあったんだよ。そこがとってもよかったんだよ。

好きなやつだった。

行きずりの相手と思いきや…

キット（演：ヘンリー・ゴールディング）

6歳のときに家族とともにサイゴンを離れイギリスへ渡った“ボート難⺠”。
30年ぶりに祖国であるサイゴン(今のホーチミン)に足を踏み入れる。

個人的にすごい大切なことを言うとね、このキットがね、ずっと短パンなんですよ。
おそらくスーツケースに短パンしか入れてないってくらい、ずっといろんな色の短パンを履いてくれてんですよね。それが最高でしたよ。
短パンのすそから覗くセクシーなタトゥーがね…よかった。

ルイス（演：パーカー・ソーヤーズ）

ベトナムで働くビジネスマン。
出会い系アプリでキットと知り合い一夜をともにする。

ユーモアにあふれた愉快な人でとっても素敵なんですよ。
でもなにか秘密をかかえていそうなそんな人なんです。

ベトナムで働くアメリカ人のルイスと、ベトナムを訪れたイギリス人のキット。
バックグラウンドも国籍も違うふたりは一夜限りの関係のつもりで、出会い系アプリで知り合うんですよね。

あくまでも「大人の関係」が大前提で、お互いのことはそこまで詮索しない。
バーで当たり障りない軽めの話をしただけで、そのまま部屋になだれ込んで情熱的な夜を過ごすんです。

深入りはしないつもり…
だったんだけどね

少しずつ自分を明かし合う

でもやっぱりお互いのことが忘れられないんですよ。

最初は「深入りしない」って決めてたのにですよ。
いつのまにか互いに纏っていた服を1枚いちまい脱がしていくかのように、会う度にぽつりぽつりとお互いのことを話し始めるんです。

ベトナム戦争がきっかけで故郷を追われることになったキットと、その戦争にまた違った立場で苦しめられてきたルイス。
ひとつの戦争によって過酷な人生を過ごしてきた親たちの姿を見てきたからこそ、アメリカとベトナムという正反対の立場だったとしても、その苦しみを共有することができたふたり。

服を脱いで裸になったふたりが向き合って、互いを通じて本当の自分を見つめるようなそんな関係性なんです。

この距離の縮め方とってもいい

そしてラブシーンがたまらんのですよ。

互いの心に空いた穴をまるで互いが埋めてくれると知っていたかのように、すーっと吸い寄せられてく関係性がとってもナチュラルで素敵なんです。

セクシーだったんだよ…ほんまに。

薄暗い部屋で二人きり、シャツを脱いで裸になったルイスの胸筋を触るキットの手つきですよッ！TKBの触り方ですよッ！だめよそれはもう。

ありがとうございます

ルーツをたどって見えてくるもの

自分のことを育ててくれた両親にはどんな人生があったのか、それを知ることではじめて自分のことが見えてくることってあるし、だからこそ後で納得がいくことってあると思うんです。

私にとっての日本の「戦争」は教科書の中の話だけど、ベトナム戦争はカラーで映像が残ってるくらいまだ最近の話なんだよなぁと思いながら見てました。

ベトナムの未来を担う若い世代はその戦争を知らない人たちで、かつての日本と同じようにまるであの悲惨な戦争がなかったかのように都市は成長し続けてるんだけど、でもその戦争の痛みは決して消えることはなくて、親から子へ、またその子へってキットやルイスのようにその影響が受け継がれていくんだと感じさせられる作品だった。

ベトナムまた行きたいな。

モンスーンというタイトル

モンスーンとは季節が変わる時に吹く季節風のこと。
この映画では特に大きな事件やトラブルは起きないし、いたって静かに淡々と進んでいくんだけど、でもその静けさのなかでキットの心情はどんどんと変わっていくんですよね。

自分の中でずっとしこりのように残っていた故郷の存在と向き合って、両親のルーツをたどっていくうちに、ある答えにたどり着くんです。

キットの中で、風向きが変わるんですよね。
それは目に見えるものじゃないけど、ラストシーンの表情からそれを感じましたよ。

とにかく見てくれ

映画「MONSOON/モンスーン」は映画館で上映中

映画「MONSOON/モンスーン」は2022年1月より一部の映画館で上映されています。

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本ページの情報は2024年7月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。