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映画「Saltburn/ソルトバーン」の衝撃から立ち直れない…歪んだ愛の先にある狂気

こんにちは。
実写BL・メンズロマンスが大好きなアラサー会社員のricoと申します。

数ある作品の中から大人女性にもきちんとおすすめできる良作のみをピックアップしていたら、130本を超えてしまいました。
ひたすら個人的な見どころをご紹介していくブログです。(特に激推しな13作品はこちら)

今回は2024年のゴールデングローブ賞ノミネート作品、amazonプライムビデオオリジナル映画「Saltburn」を取り上げます。

作品メモ

評価 :4.5/5。

評 価:4.5(4.5以上はこちら
設 定:犯罪・学生・同級生・R18
トーン:サイコスリラー・ダーク
大人度:50%
オリバー:同級生/根暗/秀才/執着
フェリックス:同級生/富豪/人気者
※あくまでも個人の主観です

まだ見たことがない方のために詳細を省いた「見どころのみ」をかいつまんでご紹介しますが、3割ほどネタバレを含みますのでご注意ください。

映画「Saltburn/ソルトバーン」とは

映画「Saltburn(ソルトバーン)」は2023年12月にamazonプライムビデオで配信された作品です。
この記事を書いている2024年1月末時点で、アメリカのamazonプライムビデオで2位にランクインしている話題作。2024年のゴールデングローブ賞では、本作で主演を務めたバリー・コーガンが主演男優賞にノミネートされたことでも注目され、アイドル的人気を誇るオーストラリア俳優のジェイコブ・エロルディの演技も光る作品です。

オックスフォード大学に入学したオリヴァー(バリー・コーガン)は大学生活になじめないでいた。そんな彼が、貴族階級の魅力的な学生フィリックス(ジェイコブ・エローディ)の世界に引き込まれていく。
そしてフィリックスに招かれ、彼の風変わりな家族が住む大邸宅ソルトバーンで生涯忘れることのできない夏が始まった。

「Saltburn」あらすじより

「プロミシング・ヤングウーマン」を手掛けたアカデミー賞受賞監督のエメラルド・フェネルが描く、特権と欲望を描いた美しくも毒のある物語。

鑑賞後衝撃を受ける人たちのリアクション動画がtiktokで話題になっていたので、気になっていたんです。でも、作品に漂う不気味な世界観が怖くてなかなか踏み出せずにいましてね…
意を決して見てみましたよ。

とんでもねえものをみた

ドラマ「ハンニバル」や、舞台「スリル・ミー」、「リプリー」「キル・ユア・ダーリン」「トム・アットザファーム」あたりが好きな方にはぶっ刺さる作品かと。

根暗な苦学生×学内のプリンス

オリヴァー(演:バリー・コーガン)

苦労してオックスフォード大学に入学した奨学生。
薬物中毒の両親の元で育った苦労人。根暗な性格で友達はいない。
華やかな上流階級の学生たちに馴染めずにいる。

学内でひときわ人気者のフェリックスに憧れている。

いかにも何かしでかしそうな不気味な主人公

フェリックス(演:ジェイコブ・エロルディ)

親が大金持ちの特権階級の息子。
そのルックスはもちろん、気取らず友好的な性格で大学の人気者。

ある日自転車がパンクして困っていたところをオリヴァーに救われたことをきっかけに、何度か飲みに誘い仲良くなる。

オックスフォードの圧倒的プリンス

主人公のオリヴァーは家が貧しく壮絶な家庭環境で育った子なんです。
なんとか現状を打開しようと勉強頑張って、奨学金借りて、名門のオックスフォード大に入って、ようやく自分の人生をスタートさせた子なんですよ。

そんなオリヴァーが学内のアイドルで上流階級のフェリックスと出会うところから物語が始まります。

予測不能なストーリー

根暗で冴えない主人公と、特権階級の富豪イケメン。

本来であれば交わることのないはずなのに、ひょんなことからオリヴァーはフェリックスに気に入られ「夏の間、ソルトバーンにある俺の実家に遊びに来ない?」って招待されるっていう。

おぉ、いいぞ!
階級の差を乗り越えた真の友情ストーリーね!素敵じゃないの!

と思いきや…

全然ちがうのだよ。もう全っ然ちがう。

ちなみにこれがフェリックスの実家ね↑家っていうか、もう城よね。

オリヴァ―がフィリックスの豪邸のドアをたたいた時から、不穏な空気が漂います。
「君の名前で僕を呼んで」的なひと夏の青春ロマンス展開かしらと思いきや、ガラガラと音を立てて崩れながら予想しない方向へぐちゃぐちゃになって転がり落ちていく…

こちらはもうそれを受け入れるしかないんです。
誰の手にも負えず、開いた口が塞がらない状態でひたすら画面を見つめることしかできない。

マット・デイモンの「リプリー」やダニエル・ラドクリフのキル・ユア・ダーリンのように、人気者の友人に対する歪んだ愛情もありながら、「パラサイト-半地下の家族-」のような美しいものが崩れていく醜い恐ろしさもあって、でもやっぱりこれまで見たどの作品とも違う、なんだろう…この感じ。

オリヴァーがソルトバーンに足を踏み入れた瞬間から、え…なに…この…展開…っていう居心地の悪さと、じわじわと迫る恐怖感があるんです、もうずっと薄めに鳥肌立ってる感じ。

そして物語が終盤に差し掛かり、ぬるっと種明かしがあって、そこで私たちは真実を知ることになるんです。

そこからはもう鳥肌MAXです。

鑑賞後、真相を知ってからもう一度見ると、これまでのストーリーが全く違うものに感じられるという、よくできた作品なんですよね。

さらに脚本・監督はあの「プロミシングヤングウーマン」のエメラルド・フェネルですからね、ハッピーエンドなんてありえなくて。得体の知れない心地悪さが残るんです。 

だからこそ、誰かにこの作品を勧めることでこの心地悪さを共有したくてたまらなくなって、共感者を少しでも増やしたくなるんです。(だからこの記事を書いているのさ)

実によくできている

欲望と嫉妬、歪んだ愛の先に…

友達のいないオリヴァーの視線の先にはいつもフェリックスがいるんです。
お金持ちでルックスも完璧で性格も良くて人気者で、周りには常に女の子がいて、まぶしすぎて直視できない。そんなフェリックスのことをオリヴァーはずっと、遠くの物陰から見つめてるんですよね。

フェリックスに対する憧れは、やがて恋になり、そして嫉妬になり、彼を独占したくなり、彼から大切な人達を奪いたくなり、そして彼に対する憎しみになり、彼に執着するがあまり、オリヴァーの気持ちはどんどんと歪んでいきます。

そんなオリヴァーのこじらせた(こじらせなんて軽い言葉では処理できない)狂気を見て欲しい。

想像を絶するぞ

衝撃シーンの詰め合わせ

この作品は、おそらくあなたにとって何かしらのトラウマになるような衝撃的なシーンがいくつかあります。

人それぞれ感じ方は違うと思いますが、海外のtiktokやXのリアクションで話題になっている通り、私にとっても同じく深いトラウマになりました。
ざわつかせているシーンををいくつかご紹介します。

ヴァンパイアのシーン

オリヴァーがある人の「血」を舐めるシーンがあります。
何の「血」かがとても重要で、個人的にはこれまで見たどの映像作品でも見たことのないような、衝撃なシーンでした。おそらく私の中では一生記憶に残り続けるほどの衝撃でした。

バスタブの残り湯シーン

バスタブのシーンは本作を象徴するシーンとして話題になっています。
人気者のフェリックスが浴槽につかりながら、G行為(おい)をするシーンがあるんですが、一つ屋根の下で風呂場を共同で使うオリヴァーは、その行為をこっそり覗き見してるんですよね。

フェリックスが何食わぬ顔で栓を抜いて排水溝に流れていくその残り湯を…オリヴァーがこっそりと〇〇する…というシーンがあります。

このシーンはショッキングなため、多くの人に衝撃を与えていて「ソルトバーンでフェリックス役のジェイコブ・エロルディが入ったあの浴槽の香り」というキャンドルが多数発売されるなど大きな反響を呼んでいます。

先日OAされたアメリカの人気トーク番組「The Tonihgt Show」にゲスト出演したジェイコブが実際にそのキャンドルの香りを”吸う”シーンがありました。

墓場のシーン

(ネタバレになるから画は載せない)

そして衝撃の墓場のシーン。どんだけ衝撃が続くのよ。
映画やドラマの中で、想い人の墓石の前で残された人が立ち尽くすシーンってよくありますよね。
フランス映画「Summer of 85」では、残された主人公が墓場の前で情熱的に踊るシーンが印象的でした。しかし本作では、歌いも踊りもしません。

我々の想像のその上をいっていて、そのシーンが衝撃すぎるんですよね。
しかもその演技が一切台本にはなく、主演のバリー・コーガンの即興(アドリブ)だったというからショックが大きいんですよ…

彼はどこまで、天才なんだろうか。どこまで行ってしまうんだろうか。

バリコの才能が恐ろしい。私は恐ろしいよ。

そして衝撃のラストシーン

もう衝撃疲れしていると思いますが、最後の最後でさらなる衝撃に襲われます。

この作品とセットで話題になっている2001年のポップソング「Murder on the Dancefloor」に乗せて、オリヴァーが踊るシーンがあります。

本作を見終わった視聴者が、もう頭の中ぐちゃぐちゃな状態で、ひたすらこのダンスを真似するミームがトレンドになっているのでぜひ見てみてください。

衝撃のラストシーン、タイトルバックが出て、見終わった後しばらくは身動きが取れないほどショックでした。

そして数分たってようやく「まじか‥‥」と声が出ましたよ。

そしてこの作品、もっと話題になっていいと思うんです。
日本ではあまりにも知られていなさすぎて悲しいです。
考察記事が圧倒的に少ないし、感想がもっと飛び交ってもいい作品だと思っています。

アカデミーにはノミネートされなかったけれど、間違いなく私の人生のなかで忘れられない深い傷跡を残してくれた問題作でした。

覚悟を決めて見てみてほしい

今回はあまり触れられなかったけど、演者のお芝居が素晴らしいし、音楽はもちろん、美術も500億点です。素人目から見てもため息が出てしまうほど、作品全体がアートなんだ。語り継がれるべき傑作。

最後に、レッドカーペットで魅せてくれた中の人たちのラブラブパフォーマンスを見てくれ。作品を見てからこれを見て何度救われたことか。

「Saltburn/ソルトバーン」は配信で無料視聴可能

映画「Saltburn」は動画配信サービスamazonプライムビデオで独占無料配信中です。
初回は30日間見放題の無料体験があるのでぜひこれを機に試してみてください。

▷ amazonプライムビデオで「Saltburn」を見る

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本ページの情報は2024年7月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。


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