💎大人のためのメンズロマンス

”BL大河”と呼ばれた「天地人」の深すぎる主従愛に今更沼りました。

こんにちは。
実写BL・メンズロマンスが大好きなアラサー会社員のricoと申します。

数ある作品の中から大人女性にもきちんとおすすめできる良作のみをピックアップしていたら、130本を超えてしまいました。
ひたすら個人的な見どころをご紹介していくブログです。(特に激推しな13作品はこちら)

今回は2009年に放送された大河ドラマ「天地人」を取り上げます。

作品メモ

評価 :4/5。

評 価:4(4.5以上はこちら
設 定:歴史・主従・ライバル
トーン:シリアス
エモ度:500000%
景 勝:殿/寡黙/溺愛/硬派/陰キャ
兼 続:家臣/ワンコ/真面目/陽キャ

三 成:豊臣家臣/寡黙/ツンデレ/冷酷/陰キャ
※あくまでも個人の主観です

まだ見たことがない方のために詳細を省いた「見どころのみ」をかいつまんでご紹介しますが、3割ほどネタバレを含みますのでご注意ください。

なぜ今更何年も前の大河ドラマを取り上げるのか。実は「天地人」を見たことがなくて、界隈の先輩方から「歴史好きには酷評されてて、当時BL大河って言われてたんだよ。少女漫画みたいな展開でイケメンだらけで」と聞きまして。
居ても立ってもいられずアマプラで契約してしまいました。

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そしたら、やはり、とんでもなかった。お噂通り。
今回はそんな作品の尊さを語らせていただきたいと思います。

ドラマ「天地人」とは

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戦国時代を駆け抜けた上杉主従を描く大河ドラマ「天地人」は、2009年に放送されました。戦国時代の武将・直江兼続を主人公に、混沌とした乱世を「愛」と「義」の精神で生き抜いた男たちの生涯を描いた作品です。
火坂雅志氏の原作小説をもとに、小松江里子氏が脚本を手がけ、主演に妻夫木聡氏を迎えて制作されました。

戦国時代、5歳で越後(現在の新潟)上杉景勝の家臣となった直江兼続は、主君への忠誠と民への愛情を貫き通した。上杉謙信の死後の家督争い、豊臣秀吉との対峙、友・石田三成との関ヶ原での別れを経て、民のために尽くした「愛」の武将の生涯を描く。

乱世を生き抜いた武将たちの物語

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上杉景勝(演:北村一輝)

寡黙で威厳に満ちた上杉家当主。
感情を表に出さないが、実は家臣や領民への深い愛情を秘めている。
悩み多き乱世を、兼続との固い絆と信頼関係を基盤に乗り越えていく。

憂いと哀愁ただよう色気たっぷりな殿。
一生に一度しか笑わなかったと語られるほど無表情な武将でありながら、幼い頃から共に過ごした兼続だけには素顔を見せる。

不器用で寡黙誰からも恐れられる堅物

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直江兼続(演:妻夫木聡)

「愛」の一字を兜に掲げた忠義の武将。
幼少期は泣き虫だが、成長して知略と慈愛を兼ね備えた名参謀に。
主君の上杉景勝(北村一輝)と越後の民を愛し、どんな困難にも愛をもって立ち向かう真っ直ぐな生き様が心を打つ。

冷静沈着な参謀としての一面を持ちながらも、殿の前では常に目をキラキラさせ、尻尾ぶんぶんの大型犬になる兼続がとにかくかわいい。

殿に対する忠義心まる出しの家臣

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石田三成(演:小栗旬)

豊臣秀吉の右腕で冷徹な切れ者。
周囲からは嫌われるが、秀吉への忠誠と民のための正義に生きる。
兼続との友情を通じて人間的な温かみを見せ、最期まで信念を曲げない潔さが魅力。

仕事が出来すぎて気付けば周りが敵ばかり

幼少期からの絆 「わしのそばにいてくれ!」

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ドラマ「天地人」は、直江兼続(妻夫木聡)と上杉景勝(北村一輝)の幼少期から始まります。
雪深い越後の地で、泣き虫の兼続と無口な景勝が出会ったのは、わずか5歳の頃。
無理やり家から引き離され、景勝の小姓として寺での厳しい修行を命じられた兼続は、「わしは、こんなところにきとうはなかった!」と初日から反抗心むき出しの姿を見せます。

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幼い兼続は、寺での修行が嫌になり母に会うために、雪の降る夜に寺を抜け出し、命からがら実家にたどり着きます。しかし、息子兼続の将来を思い、心を鬼にした母親は、泣きながら兼続を追い返すんです。
雪道で泣き崩れる幼い兼続のもとへ、心配した景勝が追いかけてきて「母君はお主を捨てたのでない、喜平次に下されたのだ。わしのそばにいてくれ」と言い、兼続を背負って雪の中を寺へと戻るんです。

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この瞬間に結ばれた二人の絆は、その後の人生を通じて揺るぎないものとなります。
共に成長し、上杉謙信の死後の権力闘争や、武田家との同盟、豊臣政権との駆け引き、徳川家康との対立など、幾多の試練に直面しても、二人は決して離れることなく歩み続けます。

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「天地人」の最大の魅力は、まさにこの揺るがない主従関係なんですよね。
幼少期の純粋な友情から、乱世を共に生き抜き、最期まで互いを信じ続けた二人の物語なのです…!

景勝と兼続 命を懸けた無二の主従関係

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大人へと成長した景勝(北村一輝)の肩には、一国の領主として想像を超える重圧がずっしりとのしかかってきます。
謙信(阿部寛)亡き後、若くして家督を継いだ景勝は、家臣の裏切りや跡継ぎ争いにもまれながらも、その静かな瞳には上杉家と民を守る決意があるんです。

そんな景勝の傍らには、いつも兼続(妻夫木聡)の姿があるんですよね。
景勝が家臣に詰め寄られている時も、間にスッと入って仲裁したり、景勝が悩み迷ったときも、鋭い知恵と温かい心で支え続けるんです。

寡黙で不器用な景勝に対し、いつも明るく「殿!殿ー!」と大型犬さながら駆け寄りながら、どの家臣よりも遠慮なくまっすぐに意見し、時に静かに寄り添う兼続の存在。

あぁ…良い。

二人の養子の差 ”才なき殿”の苦悩

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ドラマの前半は、上杉謙信の跡継ぎ候補である二人の養子、景虎(玉山鉄二)景勝(北村一輝)の対比が描かれます。

景虎は、容姿端麗でリーダーシップがあり、舞の腕前も優れ、笙の演奏も巧み。さらに女性からの人気も高く、親元の所領も広大、と非の打ち所がない完璧な男。

対して景勝は、寡黙で地味で不器用。宴の場で「次はぜひ景勝様の舞を」と言われると「ご遠慮させていただきます」って断っちゃうノリの悪さで、女性人気もない。
無愛想な景勝のせいで場の空気がシラけてしまったことを兼続が即座にカバーし「わしが踊りまする!」と言って場を盛り上げるんですよね。そんな兼続を見つめてふっと微笑む景勝が、良いんですよね。

兼続は皆の心を景勝に向けようと、景勝の魅力をアピールしようと必死になるんですが、客観的な差は明らか。景勝自身もその差を痛感し、ずっと自信を持てずにふさぎ込んでしまうんです。

ちなみに景虎と景勝の二人は後の「御館の乱」で戦うことになり、結果、表面的な才よりも内面の強さを持つ景勝が勝利し、それがその後の上杉家を形作っていきます。

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第3話では、そんな景虎と比較され凹んでいる景勝とのほっこりシーンがありました。
まわりが皆景虎を褒め、それに比べて景勝は…といわれる現実に悔しさを感じる兼続は、景勝を必死に励まそうと「されど!殿には…殿には…」と景虎にはなく殿が優れている点を言おうとします。

その後に続く言葉を期待して身を乗り出す景勝に対し、兼続は言葉に詰まり「…思い当たりませぬ」と正直に答えちゃうという。笑

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素直すぎる兼続に対して、普段は寡黙な景勝も、半ば冗談めかして「懲らしめてやる!」といって兼続のお尻ペンペンするシーンがあるんですよね。
「殿!ご勘弁を!」といって逃げ惑う兼続の帯をがっしりつかんで、何度もぺんぺんするシーンは、当時一部界隈では大きな話題となったようです。

何度も見た。

「おぬしを失のうてまで、生き延びるつもりはないぞ」

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上杉の城が敵に包囲され、食料が尽きかけるという上杉家最大の危機を迎える回。
兼続(妻夫木聡)はこの危機的状況から殿と仲間を救うため、命がけで食料調達に向かおうとします。
そんな兼続に対して景勝(北村一輝)「おぬしを失のうてまで、生き延びるつもりはないぞ」と漏らすんですよね。

「おぬしを失のうてまで、生き延びるつもりはないぞ」ですよ。
「おぬしを失のうてまで、生き延びるつもりはないぞ」…(噛みしめる)

そんな殿を前に涙を流す兼続。
「必ずや、殿のもとに戻ってまいりまする。」といって城を飛び出すシーンがあります。

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命を賭してまで殿を守ろうとする忠義の兼続と、兼続なしでは生きる意味もないと言う景勝

兼続が戻ってくるまで、夜中に眠らずひとり床几に腰かけたまま兼続の無事を祈って闇の向こうを見つめる景勝がいるんですよ。

ここはもう泣いた

窮地を通じて深まる主従の絆

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景勝に降りかかる最初の試練を描く、13話から17話にかけての展開が特にお気に入りです。

第13話では、窮地に立つ上杉家が描かれます。北条と武田からの攻勢で形勢不利の中、景勝(北村一輝)は先代の上杉謙信(阿部寛)の教えに忠実すぎるがあまり、敵との和睦を決断できずにいました。
そんな殿を見かねた兼続(妻夫木聡)の「殿は殿!お屋形様ではございませぬ!殿には自ら立つ勇気はおありにならぬのですか!」という言葉は、景勝に一国の領主としての自立を促す重要な転換点となります。
兼続は「殿を残し、先に冥途には参りませぬ」と誓い、敵側との命懸けの交渉に向かうんですよね。ここ好きです。

第15話では、景勝の母と妹が敵側の館に留まる中、兼続が「私を使者として御館にお遣わしください」と自らを危険に晒そうとします。景勝の「それはならぬ」という断固とした態度に、兼続への深い信頼が表れていて心打たれました。ここも好きです。

さらに第16話、17話では、互いの結婚に戸惑う様子が描かれます。
兼続に直江家を継がせるため、結婚を命じる景勝は「わしとて気は進まぬ」「夫婦とは思わず、同志と思えば良い」と本音を漏らします。
子どものころからずっと一緒にいた兼続を手放したくない景勝の繊細さが出ていて、好きです。

「生涯、主(あるじ)はただひとり」

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このドラマの見どころのひとつ、豊臣秀吉との対面シーンは、作品の冒頭でも描かれ最も緊迫した場面の一つです。
信長の死後、天下人となった秀吉は、兼続(妻夫木聡)の才能に惚れ込み、景勝(北村一輝)の前で「わしの家来になれ!」と命令します。

兼続の目の前に積み上げられた砂金の山。
それは褒美であると同時に、断れば命を落とすという無言の脅しでもありました。
隣に座る景勝はもちろん、その場に居合わせた者たちは皆、固唾を呑んで兼続の返答を待つんですよね。
兼続の返事次第で、上杉家の存続も、その家臣たちの命運も、すべてがこの一瞬にかかっているからです。

緊張感に包まれた空気の中、兼続は一歩も引かない堂々とした態度で、
「畏れながらお断りいたします」と告げます。

「生涯主(あるじ)は上杉景勝ただ一人と決めておりまする。十万億土(あの世)に旅立つ日来ようとも、主のそばを離れるわけには参りませぬ」

この時の景勝の顔よ。ポーカーフェイスだからあまり表情には出さないんだけど、家臣に対する尊さが溢れ出てました。

兼続のこの言葉に「この秀吉に恥をかかすのか!」と激怒した秀吉は刀を抜き、兼続の首筋に突きつけます。
それでも、死をも覚悟した兼続のまっすぐな瞳は揺らぎません。
幼い日から共に過ごした景勝との絆が、彼の中で確固たる信念となっていたからなんですよね。

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他の人の仲裁でなんとかその場が収まり、大阪城からの帰り道「肝を冷やしたぞ…」と漏らす景勝に対し、にっこり微笑む兼続がもう…

でも実は景勝は、秀吉が兼続を家臣に欲しがっていることを知っていて、さらに兼続がそれを断ることも見越していたんですよね。
もし秀吉が怒って兼続を切るようなことがあれば、自分がその場で秀吉と刺し違える覚悟で、事前に遺書を残していたんですよ(なにそれ…)

後日それを知った兼続は、涙ぐみながら改めて殿との深い絆を知るという。

なんだこの主従…えっも。

義に生きる兼続と三成の友情

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ドラマの後半は、直江兼続(演:妻夫木聡)と石田三成(演:小栗旬)の関係が描かれ、この二人の絆が「天地人」のもう一つの見どころです。

二人の出会いは岐阜城で、織田信長(演:吉川晃司)に殺されかけた兼続を、三成が助けたことがきっかけでした。

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当初は互いを知らずにいた二人ですが、秀吉の家臣として出世した三成が兼続の元を訪ねたときに、彼がかつての命の恩人であることを知るんです。

幼少期から過酷な環境で育ち、人としての温かさに欠け冷徹で傲慢と言われた三成なんですが、越後の民のために働く兼続の姿に心を打たれ、次第に心を開いていくようになるんですよね…

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二人の友情が深まるにつれ、三成は天下の政治について兼続に相談するようになります。関ヶ原の戦いの前には兼続と三成は密かに会談し、家康打倒の密約を交わします。

関ケ原での敗北後「生きて我等の正義を後世に伝えよ」という言葉を残し斬首された三成。
兼続はその言葉を胸に秘め、晩年、禅林文庫を創設して三成との友情と「義」の精神を後世に伝える決意を新たにするのです。

二人の関係は、異なる主君に仕えながらも、同じ「義」の道を歩んだ戦国武将の純粋な友情として描かれています。

切ないが過ぎる

”BL大河”と批判された「天地人」

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放送当時、「天地人」は大河ファンや歴史好きの間で”BL大河”と揶揄され、特に脚本、演出に賛否があったようです。
女性脚本家が手がけているということで、少女漫画のようなドラマチックな展開、史実と異なる脚色や、イケメン俳優ばかりの起用などに対して厳しい批判が寄せられていたとのこと。

  • 織田信長(演:吉川晃司)
  • 上杉謙信(演:阿部寛)
  • 石田三成(演:小栗旬)
  • 真田幸村(演:城田優)
  • 伊達政宗(演:松田龍平)

確かに次々と登場する見目麗しい武将たちに眩暈がしそうでしたが、それでも、いや、だからこそ、本作は最高視聴率26%の高視聴率を記録し、今でも人気大河のひとつとして語り継がれています。

わかりやすい展開や人気若手俳優の起用で、普段歴史に興味のない層や、大河を見ない女性視聴者を取り込んだ点では、一定の文化的意義があったといえると私は思うのですよ。

そもそもBL大河でなにが悪いのかと!(開き直り)
こういうのもありじゃないか!と思わせてくれる作品でした。

当時、リアルタイムで見ていなかった自分を叱ってやりたいですよ。
天地人という作品の魅力に、今さらながら取り憑かれてしまいました。遅すぎる。
共に語り合える視聴者がいないので、ひとり古の視聴者ブログなどを読み漁り「わかる!」と叫んでいるのです。タイムマシンが欲しい。

あぁ誰かと語らいたい

大河ドラマ「天地人」はamazonプライムビデオで視聴可能

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Amazonプライムビデオは、NHKオンデマンドと提携しているので、アマプラ経由で歴代の大河ドラマはもちろん、NHKの各種番組視聴することができます。

月額990円の追加料金が必要ですが、歴代大河が一気見できるのはコスパ良すぎます。

▷ amazonプライムビデオで「天地人」を見る

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あぁああああー!
まだまだ貴女におすすめしたい作品はたくさん!
もっと書きたい!この感情をぶつけたい!

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rico(30代)

湿度高めなオトナ向けクイア作品を探すことが趣味
インディ作品や商業BL、R指定まで何でも食べる
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